

国循の医師や研究者からの医療現場ニーズを紹介、新たな連携や共同研究につながる出会い、マッチング創出の機会を設けるなど交流を加速し、革新的イノベーションを実現します。
次世代医療システム産業化フォーラム2021 医工連携マッチング例会 in 国循
13:05-14:05 第1部基調講演
国立研究開発法人国立循環器病研究センター
大津 欣也 理事長

14:20-16:40 第2部共同開発提案セッション
国立循環器病研究センター
心臓外科部長 福嶌 五月
『医療機器を植込まれた患者の局所感染に対する治療デバイス開発』
心臓血管外科領域でも数多くのアンメットニーズがあります。
今回は植込み型人工心臓装着患者のドライブライン感染の予防治療のためのデバイス開発を提案します。植込み型人工心臓は重症心不全患者に装着されますが、体内に植え込まれた人工心臓と体外のコントローラーとバッテリーを接続するドライブラインが腹部の皮膚より導出されます。この導出部位の感染は、頻度が高くかつ難治性であり、生命にかかわる合併症として知られています。
益々、人工心臓装着患者が増える中で、ドライブライン感染の予防と治療は喫緊の課題です。

国立循環器病研究センター
循環動態制御部 制御治療機器研究室長 朔 啓太
『自律神経ネットワーク修飾を応用した循環器疾患治療デバイス
~海外動向と個別技術開発~』
我々は、電子的自律神経制御による循環器疾患治療法創出を試みている。
例えば、動脈圧反射受容器を電気刺激することで任意の血圧と血圧変動を作り出すことが可能となる。また、迷走神経を適切に刺激することで、慢性心不全の進展抑制や心筋梗塞における梗塞サイズ縮小などの効果が得られる。
病態生理における自律神経性制御の重要性やハイインパクトな基礎研究結果、デバイスの未来性から電子的自律神経制御デバイスに寄せられる期待は大きい。
本講演では、客観性を保ちつつも、新しい医療創出への期待感を感じていただけるように、循環器疾患をターゲットとした電子的自律神経制御デバイス開発の現状と課題を整理していきたい。

国立循環器病研究センター
心臓血管内科部 不整脈科医師 石橋 耕平
『次世代型着衣型除細動器の開発』
除細動器は致死性不整脈による突然死を回避する唯一の治療です。体内に埋込む除細動器(経静脈的除細動器、皮下埋込型除細動器)、救助者が使用するAEDが一般的ですが、体内に埋め込まずに自分で使用できる着衣型除細動器(WCD)という除細動器が存在します。現WCDは非侵襲性や簡便性から今後非常に重要な役割を果たすことが期待されますが、システムの問題((1)診断精度が低い(2)ペーシング機能がない)と、大きさなどによる問題((3)長期着用が負担(4)外れやすい)等があり、長期使用に向きません。これらの問題を解決する次世代型WCDの開発は、我が国のみならず世界的に貢献出来ると考えます。

国立循環器病研究センター
循環器病リハビリテーション部 脳血管リハビリテーション科医長 横田 千晶
『小型動作測定器のニーズ』
近年、脳卒中リハビリテーションには、ロボットを含めた新たな治療機器が導入されています。こうした新たな治療機器による運動機能回復の効果判定には、「迅速」、「簡便」、「正確(再現性がある)」な動作計測が不可欠です。
そこで療法士の診療業務を圧迫せず、誰でも使える小型動作測定器、すなわち、タブレット1枚で動画を撮影し、四肢・体幹・手指の関節可動範囲、動作の変化(スピード、軌跡)を三次元的に捉え、筋収縮の発現、程度が分かるアプリケーションを搭載した機器の開発を希望します。

16:15- 臨床工学部発のニーズ
国立循環器病研究センター
臨床工学部 主任臨床工学技士 髙橋 裕三
『1. 院内の電源コンセントに対するあったら良いな染に対する治療デバイス開発』
集中治療系病棟ではたくさんの医療機器を患者様に接続しますが、医療機器の電源に関する使用環境には改善の余地があると考えます。設置した医療機器と壁電源までの距離や、一か所に医s療機器を何台も設置する事で、延長コードやタコ足配線となりやすく、コードを踏んだ弾みで、コンセントがいつの間にか抜けてしまう事例があります。多くの医療機器にはバッテリーが搭載されていますが、中には非搭載の機器もあり、電源コードが抜ける事で重大事象が起こりかねません。
医療機器を使用する環境の改善は、患者様の安全性の向上に繋がると考えます。

国立循環器病研究センター
臨床工学部 副臨床工学技士長 四井田 英樹
『2. 小型動物用の医療デバイス改良及び製作』
獣医療は高度化が進んでおり、心臓手術や心臓カテーテル術、ペースメーカー植込など人間の医療と同じレベルを目指して治療が行われている。しかしながら獣医療専用デバイスの開発は遅れており、人医療のデバイスを使用している。獣医療が対象とする動物は体重1-3kgの小動物である。小型動物用医療デバイスを開発し、獣医療で使用実績と治療成績を積み、革新的な医療デバイスを開発した場合には新生児や乳幼児時期の治療に使用できる。人医療と獣医療が双方向性な関係を構築し、よりスピーディーな医療機器開発を目標とする。

開催概要
開催日時 | 2021年7月1日(木)13:00-16:45(12:45からアクセス可能) |
開催場所 | サイエンスカフェ ※コロナの状況により全企業オンライン発表 |
開催方法 | Zoomウェビナー機能を用いて開催します。 |
主催 | 国立循環器病研究センター×大阪商工会議所 |
参加費 | 無料 |
プログラム | モデレーター:国立循環器病研究センター 名誉所員 妙中 義之 氏 13:00 開会挨拶 13:05 第1部基調講演 14:20 第2部共同開発提案セッション 16:45 閉会挨拶 |
チラシ | チラシダウンロード |
イノベーションカフェに関するお問い合わせ先
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E-mail: event@science-cafe.jp
TEL: 06-6170-2159
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